七ふくたいむず2023 2月
-
23.02.25
今月は転倒についてです。
上記にもあるように、介護が必要になる原因の第4位に転倒、骨折があります。
ここに繋がる背景には3位の衰弱(体力低下)や1位の認知症などもあるかもしれません。
いずれにしても、防げるものは防ぐという意識が必要です。
高齢者の転倒で多い骨折部位は手首や肩、背骨、大腿骨です。
手首や肩は手を着いた時ということになりますが、背骨の場合は尻餅をついた時、大腿骨の場合は手を付けなかったという状況が想像できます。
年齢とともに骨密度なども低下するため骨折する危険性は高くなりますが、やはり転倒と骨折は関連が高くなりますので、転倒しない予防が必要です。
手首の骨折の場合は、手術するケースもあれば、程度によってはギプス固定で治る場合もあります。手を使うことはできませんが、体力の低下や生活状況が著しく悪化する可能性は低いです。
問題は背骨や大腿骨の骨折です。
背骨の骨折で最も多いのは圧迫骨折です。
圧迫骨折の場合、神経の損傷などがなければ、硬いコルセットを装着してリハビリをします。コルセットが完成するまでは悪化を防ぐため起き上がれないことがありますのでその間体力が低下してしまいます。
多くの場合はコルセットを装着してリハビリをすれば、痛みにもよりますが、元の生活に戻れます。
大腿骨の骨折はほとんどの場合手術が必要です。
手術となると入院期間、リハビリ期間ともに少し長くなります。
体力や筋力も低下しますし、最初のうちは痛みもあります。
リハビリにより体力は回復してきますが、転倒→骨折→入院→手術→リハビリという流れの中で、気力が低下し、うつ状態になる場合もあり、一度落ちた体力を戻すには労力と時間がかかります。
高齢者の場合、筋力が十分に戻らないこともありますので、この骨折は一番さけたい骨折です。
転倒を予防することが最も重要ですが、骨を強くすることも重要です。
当院では骨密度を測定することができます。
今の状況を知ることで、将来への対策ができます。
不安がある方は診察時にご相談ください。
来月は転倒を予防する対策について解説していきます。