さわやか体操2021 8月編 東洋医学で対処する
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21.08.31
今月は「東洋医学」の観点から勉強していきたいと思います。
8月はご存じの通り1年で最も暑い季節です。
しかも近年はその暑さもかなり強烈になりつつあります。温暖化の影響なのか、地球の周期的にそのような時期なのかはわかりませんが、この暑さの影響で体調を崩す方はみなさんの周囲でも多いのではないでしょうか。
しかし夏の過ごし方や対策と、秋に向けた対策をすることで、夏の疲れが出て体調を崩すということを防げるかもしれません。
また季節によって疲れが出やすい臓器や体の部位はある程度見当がつきます。
適切な休息、栄養、運動を行い、体調を整えるという意識を共有して、今から秋、冬に向けて対策をしていきましょう。
まず夏は"心"(しん)の季節です。
暑さが厳しいこの季節は1年の中でも最も体が活発になる時です。夏の暑さに負けないように、体は汗を出して冷やそうとします。汗は自律神経の働きによって分泌されます。そして汗を大量に出すということは、自律神経を酷使するということになります。
汗を出す働きは交感神経が担っています。つまり交感神経が過剰に働くことになります。
普段は交感神経や副交感神経がバランスよく働いていますが、このような過剰な偏りがある状態が続くと、自律神経が疲弊してしまい、今まで自動で調節してくれていた機能が機能しなくなります。すると汗だけではなく、血管の収縮や弛緩、臓器の働き、栄養の吸収などに影響がでます。
夏の間はできるだけ自律神経を疲れさせない工夫が必要になります。
それがブログや当院で配布している新聞にも掲載した熱中症対策です。
高温多湿の状態に体がさらされると自律神経のみならず、肺などの臓器も一定程度影響を受けます。肺などの臓器が影響を受けるということは、免疫機能や呼吸器機能に影響が出る可能性があります。
特に軽い熱中症の場合、自覚症状が無い場合が多いですが、目に見えない、肌で感じないレベルで体の不調が出ている可能性があります。
そしてそれが秋に差し掛かった時に顔を出す格好です。
つまり夏の後始末をこの夏の終わりから秋にかけてしっかり行うことでスムーズに秋、冬を迎えることができます。
そして夏の終わりは"脾"、秋は"肺"の季節へと変わっていきます。
脾臓は血液系やリンパ系、消化吸収などを担っており、特に脾臓が疲労してくると、体の不調が表面に出やすくなります。
体が重くだるい、肌荒れがある、軟便や下痢などの消化器症状も脾臓の影響かもしれません。
冷たいものや油っこいもの、水分の過剰摂取には注意が必要です。
秋が深まると"肺"の季節になります。
肺は呼吸機能を担っていますが、新鮮な酸素を取り入れ、不要な二酸化炭素を排出する役割があります。
肺が弱ると、咳が出やすくなったり、痰が絡む、鼻水鼻づまり、末端が冷えるなどの症状が出やすくなります。
秋に体調を崩す人が多くなるのは"肺"が疲労しているのかもしれません。肺の機能を上げるためにはやはり呼吸です。ただ闇雲に呼吸をするのではなく、正しい呼吸で体をリフレッシュしていきます。(やり方は後程)
このように季節や気候によって、疲れやすい臓器、対応する臓器は変化していきます。
日本は四季がありますので、季節の変わり目には体が自動的に次の季節の準備をしてくれます。しかし準備をする際にうまく調節できなかったり、前の季節の後始末をすることがあります。
それが風邪や自律神経の異常、痛みとなって出てくるケースもあります。
それらの症状をうまくやり過ごして、次の季節へと進めていくことが大切です。
では具体的な方法をいくつか紹介します。
これらの方法をすべてを行う必要はありませんが、できる物から順番に試してみるといいでしょう。
特に体を温めることは血流をよくすることと、臓器の働きを良くする作用があります。
もちろん食事や運動も忘れてはいけませんが、まずは心と体をしっかり整えるという意識を持つことから始めましょう。体が発している声に耳を傾けて、体と向き合う時間を作ることで、体だけではなく、心のゆとりも生まれます。
まだまだ暑さは続きますがしっかり対策をしていきましょう。